ここから引き返したら酸ヶ湯まで30〜40分位で行けるだろう。酸ヶ湯に戻ったら、
冷えた体を温泉で温めて生姜みそおでんを食べて・・・。もう一人に自分が、「バカ野郎!
この位の天気で引き返したら山仲間に笑われるぞ!前に進むんだ!」
午前12時12分 上の方を見る 「よし!行くぞ!」と自分に気合を入れる

12時43分 登山道が林の中に入り強風が遮られたので水分補給で立ち止まる

森林帯を抜けてガレ場に出ると風が一段と強くなる。体を低くしてロープや蛇籠に掴まりながら
上る。声がしたので上の方に目をやると、三沢のハイスクールの生徒だろうか5〜6人の男女が
軽装で蛇篭の陰で強風を避けるようにうずくまっていた。「大丈夫か?」と声をかけたら
「ダイジョウブデス」と笑顔が返ってきた。こんな所に立ち止まらないでもう少し
下りれば森があり風をよけられるので、頑張って降りた方が良いとアドバィスする。
13時0分 鏡沼

もう少しで頂上という所で降りてきた女性から声をかけられる。雨具はちゃんと着て
ザックには防水カバー、両手にポール(ストック)を持ち装備はしっかりしているように
見える。強風と雨のせいか、疲労と不安が表情からわかる。その女性が「地元の方ですか?」
と聞いてきた。「地元って言えば地元ですよ」と、私。「酸ヶ湯の方ですか」「私は
十和田市からですけど、どうしましたか?」と聞くと「酸ヶ湯に下りる道はこれで良い
ですか?」「大丈夫ですよ。この登山道は一本道ですから間違いませんよ」とアドバィス。
まだ足元が大丈夫そうなので「頑張って」と声をかけて見送る。
13時15分 大岳頂上 誰もいない。吹き飛ばされそうだ。


14時25分 下毛無岱

15時0分 酸ヶ湯着

今回の山行は、酸ヶ湯から大岳頂上までの上りに1時間55分、下りに1時間45分かかった。
休憩は一度もなく、下りは駆け足のような感じで下りた。
今回の目的だった「くの字湿原」は見ることができず「苦の字」が付く山行だった。
「くの字」を見るために、来年以降にリベンジ登山という課題が残った。