そこで見たものは、30数年前亡くなった祖父の選挙後援会看板だった。

七戸中学校の3年間は、祖父の家に世話になり、そこから学校に通った。
当時祖父は七戸町町長をしていたが、あまりにも身近に居たため特に偉いと
思ったことはなかった。
何回目かの選挙に当選した夜のことだった。祖父に対抗する側を応援した土建業者が、
侘びを入れに来た。祖父が、「選挙は選挙、選挙が終ったら町の為一緒に頑張ろう」と
言っていたのを、ふすま越しの隣の部屋で聞いた。その時はあまり感じなかったが、
今思うと、おじいちゃんは偉かったな〜。