美術館「高田水墨画館」の標柱の修理を依頼された。持って来た標柱は、スギ材で作ら
れていた為根元から裏側にかけて表面を少しだけ残し腐っていた。
切り取った根元

当社と取引のある元宮大工のAさんに仕事を頼む。Aさんのノミなどの入った道具箱には、
総本山知恩院管主の為書があった。

仕事中のAさん 表面を傷つけないように薄板を貼って養生している。

完成 表面を壊さずに修理した安堵感が感じられる

早速「高田水墨画館」に持っていく

補強は表面から見えないように裏側から天然青森ひば材でガッチリされている

ブンちゃんに標柱を土蔵の中に入れて置くように言われていたので入れる。

土蔵にカギが無く無用心だと思い、横のほうにあった板を板戸の前に置いた。
ふと見ると板には墨で字が書いてあった。

そこに立って何度も読み返した。自分も正にこの通りだと強く思った。
帰ろうとして振り返ったらきれいな緑色のガラスのランプが目に入った。

もう少し近づいて撮ろうとしたら、木の根元から突然「バタバタバタッ」と大きい鳥が
飛び立った。キジの雌だ。キジは、遠くに飛んでいかずに直ぐ近くに降りてこちらの様子を
うかがっていた。

キジを見ていたら、「コージ君ありがとう」と故雨草さんの声がしたような気がした。