2015年11月15日

製材所の仕事 賃挽き(チンビキ) 青森県東北町中吉製材所

製材所って、どんな仕事しているんですか?と聞かれることがあります。
私は青年海外協力隊隊員として(職種は製材技術指導)アフリカのザンビア共和国に3年間
滞在し、任期を終えて帰国。青森に帰り家業の製材所を継いだ。

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当時製材工場は県内に約600工場有ったのが、現在では約100工場余りに減ってしまった。
減った大きな要因は、安い外国木材の大量輸入により価格競争に負け、国産材が売れなくなり
工場の倒産・廃業が相次いだのだ。外材依存率が、一時80パーセント位まで上がった。

だいたい一つの町に、5〜10工場あったものだ。ところが今では製材所が無くなってし
まった町も有り、製材所を見たことが無い人が多くなった。だから上記のような質問を
されるようになったのだ。(上記の質問は、アフリカ出発前に皇居を訪れた際、当時の
妃殿下、今の皇后様にもお受けになりました。)製材所は、正に絶滅危惧職業だ。

製材所の仕事は簡単です。森林組合や個人の山持ち(林業家)から原木(丸太)を仕入れて、
それを工場の機械で建築材や土木用材などに製材。そして、天然乾燥・等級仕分け・結束
・販売となります。

この流れとは別に、お客さんが自分の山の丸太を持ち込み製材加工を頼まれ
ることがあります。これを通称「賃挽き=チンビキ」と言います。

珍木(本文とは関係ありません)
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9月のある日、杉の丸太2本が持ち込まれ賃挽きすることになった。

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中々良い丸太だが何かテープ付いている。
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「ワイヤー付き」。これは、原木をワイヤー集材した時にワイヤーが切れて、「丸太の中に
ワイヤーの一部が残っている可能性がありますよ」と言う意味だ。もしワイヤーが残っていて、
それを挽いたら帯鋸破損だけならまだ良いが、破損した鋸が機械から外れて操作している人(私)
に危害を及ぼす恐れがあるのだ。できれば挽きたくない丸太なのだ。でも仕事だ。

最初、大割り機で恐る恐る製材する。
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ヒヤヒヤ物でしたがワイヤーは出てきませんでした
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次は、小割り機械で小さく製材する。
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小割りした製品
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賃挽きの場合は、このままお客さんに引き渡します。
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当社では、丸太1本でも賃挽きを承ります。樹種、木の太さ・長さなどにより
賃挽き単価が異なります。単価表がありますので参考にしてみてください。
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posted by koji at 19:36| Comment(0) | 製材工場
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