
大学で最初の授業の時、隣に座ったのがK君だった。
1960年代後半から1970年代前半は、平凡パンチ、VAN、JUN、に代表されるように
アイビーファッションが大流行中。下はローファーにコットンパンツ、
上はボタンダウンシャツにジャケット。
手にはブックバンドで止めた数冊の教科書。
そのような時代に、隣に座ったK君が机の上に置いたのは風呂敷包み。
正座したように姿勢が良く、おもむろに風呂敷包みを解いた中からは、教科書。
そして、流行に全く関係ない黒っぽい地味な服装。「うーん、コイツはどの時代から来たんだ」
という印象だった。興味がわいて話しかけたら、「出身は、長崎県の壱岐島の郷の浦です。」
と、まるで身上調査に答えるように、キッパリ。
親が教師をしていることや、妹がいることを話してくれた。
お互いに気が合ったのか、大学卒業後も連絡を取り合い、今に至っている。
K君、焼酎ありがとう。